本稿では、英語科目重視の影響により減少しているとされている中国の高校での日本語学習者の日本語選択動機を、調査対象校である内モンゴル自治区の普通科高校を例に調査分析した。その結果、高校入学時に日本語が選択される最も大きな動機として、「日本のアニメ、漫画、ゲーム、小説などが好きだったから」があげられ、さらに因子分析により「日本文化、社会に対する興味関心」「英語との比較による日本語への期待」「外国語に対する興味関心」「他者からの影響」の4 因子が抽出された。因子下位尺度の平均値を比較したところ、「英語との比較による日本語への期待」が他因子より有意に高く、日本語選択に最も強い影響をあたえている要因であることが分かり、「他者からの影響」は他因子に比べ有意に低く、高校入学時に学習者は、今まで学習してきた英語ではなく日本語に期待し、自らの意思で日本語を選択している傾向が強いことが明らかとなった。

Ｉ. 論文

一橋大学国際教育交流センター

2020-09-30

Japanese(jpn)

departmental bulletin paper

VoR

10.15057/70033

AA12872099

一橋大学国際教育交流センター紀要

2

43

54

02号 (2020)

https://hdl.handle.net/10086/70033