哲学・革命・エコロジー

この小論文では、レーニンやスターリンの時代における哲学や宗教の位置づけの問題を議論し、その問題をロシア革命、社会主義政権との関係で考察する。たしかに、レーニンが指導した革命政権は、八時間労働制を法的に獲得し、失業を減らし、婦人参政権を確立し、女性の職場進出を促進し、文盲率の高い農民階層を中心に、急速に識字率を高め、年金・医療制度も拡充し、こうして労働者を中心とする国家体制を作り上げた。急速に生産力を高めて、フランス革命に続いて、労働者を主人公にする革命国家となった。先進資本諸国の福祉国家化が、こうした社会主義国の発展に刺激を受けたということは、しばしば指摘されることである。とはいえ、スターリン独裁を中心に、それ以後の変質は明らかであり、反共的な帝国主義勢力に囲まれてきたとはいえ、結局ぺレストロイカなどの運動を経て、社会主義は崩壊し、資本主義へと回帰したのである。そのなかで、いまから見れば、社会主義国家は哲学や宗教と適切な関係を結びえなかった。だがそれは、微妙な問題をはらんでもいたし、いまでもある意味そうである。私は最後に、レーニンらの農業問題・農民問題について問題提起して、現代のエコロジーの考えともつなげて考えたい。

(特集 ロシア革命から100年 : 我々は何を学んだのか) -- (レーニンを論じた)

季報『唯物論研究』刊行会

2017-11

Japanese(jpn)

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AM

0285-2993

AA11649026

季報『唯物論研究』

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51

010a Journal Articles　=　雑誌掲載論文

https://hdl.handle.net/10086/29447